――ファミレス――…06/08/01






「いらっしゃいませー」




明るい店員の声。
静かな空間に響く。
夜中のファミレス。
やはり人は少ない。
見つけるのは簡単だった。
赤紫色の髪が目立つ。
変な頭。
「香介!!」
名前を呼ぶと、振り返り、右手を挙げた。
「よぅ、」
へらりと笑う。
「どうしたの、こんな夜中に」
というのも。
今から30分前。
携帯に連絡があったのだ。
今から出てこれないか、と。
急いで支度をして、出てきたのだが。
何故日にちが変わろうとしている、こんな時間に呼び出されたのか。
しかも何故ファミレスなのか。
いまいち判らない。
というか。
この男はいつから此処に居たのだろう。
少なくとも30分前にはいたか。
色んな疑問が脳内を駆け巡る。
「や、実はな」
眉を顰め、途端に真剣な表情に変わる。
何かあったのか、と私も構える。



「金貸して!!!」




香介は頭を下げた。
私はポカンと口を開ける。
馬鹿か、こいつは。
「、頼む!」
両手を合わせ、上目遣いで私を見る。
「ったく…」
溜息を吐き、財布を取り出した。
「確かめてから頼みなよ」
「………わりぃ。頼れるのがしかいなくてさ」
「相変わらずの間抜けね」
足りない分の小銭をテーブルに置く。
「さんきゅ」
私はどうもこの笑顔に弱い。
「どう致しまして」









【アトガキ】
スパイラル―推理の絆―
浅月香介お相手の夢小説です。
ヘタレが代名詞(だと思ってる)
彼は、私の中ではこんなんです。
ちょっとおばかで間抜け。
さすが間抜け眼鏡ですね!(うわ)

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